とある電気機器製造工場でアルバイトをしていた、町屋くん(当時高校生)。 そこでは、家電製品の部品の組み立てや加工を行っており、 町屋くんも毎日、部品の運搬や製品のチェック、組み立て作業を 指示通りにこなしていました。 ある日、町屋くんはベルトコンベアの前に立たされて、ハンマーを渡されました。 「これで、流れてくるものを叩けばいいから。」 「えっ、叩くんですか?」 「そう。」 流れてくるのは、どう見ても精密機械。 本当にハンマーで叩いていいものでしょうか。 「はい、始め。」 半信半疑ながらも、次々に流れてくるエアコンのモーターに向かって ハンマーを降りおろす町屋くん。 『ガーン!ガーン!』 工場内に打撃音が響きます。 「もっと力強く!」 従業員さんにそう言われ、力一杯ハンマーを降りおろす町屋くん。 『ガツーン!!』 「そう!」 『ガツーン!!』 「そう!」 一日中その作業は続きました。 一見すると、部品を破壊しているともとることのできる、この力任せ作業。 理由を聞いた所、 「カバーとのすき間を作るため」 に行うのだそうですが、 製造したものが返品されてくることが多かったともいいます。 また後日、 『ベルトコンベアが動かなくなったから、代わりにやって』と、 製品を、手で押し流す作業も体験したそうです。 「おりゃーっ!」(ガラガラガラ・・・) 「そう!」 |